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―――オーストラリアの先住民、 アボリジニー――― |
Valeria Nemes 訳 前田晶子 |
オーストラリアは、16億年以上前から大陸であったと言われています。地理学上、世界で一番古い大陸です。初めて人がやってきた時は氷河時代だったので、今とは大分違い、海面がずっと低い位置にありました。タスマニアとオーストラリア本土とニューギニアはひと続きの大陸でした。アジアとオーストラリア大陸の距離はわずか80マイル(約130km)でした。ということは簡単に渡ってこられたわけです。 |
一説には今から4万年から6万年前に最初の居住者がヨーク岬とキンバリー高原の間から入ってきたと言われています。彼らは強い種族に追われたマレー、インド系の人々で、インドネシア経由でやってきました。 |
最初に来たのは髪の縮れた肌の黒い人々でした。しだいにタスマニアのほうへ移っていきました。次に肌の色はそれほど黒くなく、髪は軽くウエーブしているか、またはまっすぐな人々がやってきました。恐らく、ドラビタ人や南インドの山岳民族であろうと思われています。長く住んでいる間にパプア人と混ざっていき、顔かたちはしだいに変わっていきました。 |
また違う説を唱える学者もいます。居住者達はオーストラリアの中にあちらこちらに移動して行ってそこに住み着いてしまったので、長い間のうちにお互い異なった容貌になっていったのであって、元は同じ種族だったという説です。
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ともあれ、イギリス人が来た頃のオーストラリアに住んでいたアボリジニーは、30万人はいたと推定されています。そして言葉(方言)はおよそ500に分かれていたと言われます |
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