印刷刊行されていたユーカリに約3年半「花ごよみ」を執筆、メルボルンで一葉式いけ花を教えていらっしゃるジャクソン増美さんが、今月から「オーストラリアの花々」というタイトルでオーストラリアの花々を紹介してくださいます。
ノウセンカズラ科。常緑の美しい葉を持つ蔓性かつ木質性の植物です。日当たりのよい所に植えると、四方八方にのび放題伸びます。普通4~5メートルぐらいですが、そばに何か支柱があると、それにからみついて、またどんどん伸びます。そして、茎の先の方20~30cmぐらいのところに花枝を数本出し、一本の枝に4つか5つの花を咲かせます。花はトランペット型。直径5~6cmくらいで、朝顔のような柔らかい花です。色は白、赤、ピンク、クリーム。花の筒の部分が濃いえんじで、花びらの先の方がピンクというのもあります。葉は7枚、9枚、11枚などからなる奇数の小さい葉で、羽状複葉に対生。茎は根元の方の古い部分は木質化します。
土質を選ばず、日当たりと水はけさえよければ、旺盛に蔓を伸ばして生育。春、夏、秋と花期も長く、真夏の炎天下でも生き生きと咲いてくれます。
和名をソケイノウゼン、別名を南天ソケイ。葉がきれいなので鉢などで行灯仕立てにして観葉植物としてもよく、また、木質化したところの枝はひじをはったり、踊っていたりしてて面白いので、いけ花にも重宝します。
一葉式いけ花 ジャクソン増美