ワイン入門(5) 木村靖のワイン講座
知っておきたい豪州ワインのあれこれ
オーストラリアのワインスタイル その2
テーブルワイン
オーストラリアのテーブルワインの特徴は葡萄品種名かフランスなどの有名ワイン産地がラベルに表示されているので、ワインスタイルの区別が比較的簡単にできることである。一般には葡萄品種名が表示されているワインが良質なものとされ、白はシャルドネ(Chardonnay) 、リースリング(Riesling) 、ソーヴィニョン・ブラン(Sauvignon Blanc) 。赤はピノ・ノアール( Pinot Noir) 、シラーズ(Shiraz)、カベルネ・ソーヴィニョン(Cabernet Sauvignon) などが代表的な品種名である。これらのワインには各品種のもつ独特な香味があり、その特徴とスタイルを理解することは、料理やチーズとの相性を見る時のキーポイントになる。
通常、良質なワインは味が濃厚で辛口であり、賞味期間(瓶熟成)が長く、価格も高くなる。一方、ラベルに品種名が表示されているが価格の低いもの、または品種名の表示がないものは、ソフトでやや甘口タイプのものが多く、賞味期間も短い。(カスクワインはこの部類) したがって「ワインは長く寝かせると美味しくなる」というのは、ワインのスタイルによるものであることを認識すべきである。
品種名の区別ができるようになると、次のステップは、シャルドネとピノ・ノアールはヤラヴァレー (Yarra Valley)、リースリングはクレアー・ヴァレー (Clare Valley)、カベルネ・ソーヴィニヨンはマーガレット・ヴァレー (Margaret River)というように、その品種の産地をいくつか覚えると、さらに良質なテーブルワインの選択ができるようになる。
木村靖
*筆者の木村靖さんは、オーストラリアの大学でブドウ栽培学とワイン醸造学を学ばれました。
1993年より「ユーカリ」に「木村靖のワイン講座」を執筆していただき、この記事はそれを再掲載しています。
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