覚えていないくらい小さい時からです。私の絵の手ほどきは、伯母からで、いつも遊びに行ってましたから、少しずついろんなことを教えてもらい、いつの間にか絵を描いていました。７歳の時にはもう画家気取りで、ランドリーに鍵をかけて閉じこもって絵を描いていました。ドアにアーティストと札をかけてね。姉に笑われました。

 ＊伯母さんは画家として、身を立てておられたのですか。

油絵を描く画家でしたけれど、趣味で描いていました。でも私にとってはこの伯母の影響力は、大したものでした。と言うのは、ほんとに小さい時から、伯母から絵の具の配合を教わっていましたから、私は絵を描いている時、目で見ている色、または出したい色を、直感的に絵の具を混ぜ合わせてすぐ作れます。これは自分でも幸運だったと思います。三番目の子が生まれてから植物画を習って、自分の領域を広げました。教わった先生は、アートの学位を三つも取った人ですが、絵の具の配合は本を見ないとできないのです。伯母に感謝しています。

上が9歳になったばかりの男の子、次が6歳の女の子、末っ子が5歳の男の子です。2番目と3番目は9ヶ月しか離れていないんです。２４週間で生まれてしまった未熟児だったので。半年病院にいて奇跡的に育ちました。　こんなわけで、私は子供が産まれたり家庭の事情があると、５～６ヶ月くらいはぜんぜん絵を描きません。落ち着くとまた描き出すということを繰り返しています。今も引越ししたばかりなので、休んでいて、そろそろ始めようかと思っているところです。それから、絵は夜描きます。昼間はやっぱりできません。来年は皆学校に行くようになるので、昼間も少しできるかもしれません。

＊ご主人の協力がなければこうやって絵を描き続けることはむずかしいと思うのですが。

＊そこの額に入っているのはビジネスの許可証ですか。

ええ、最近自分の作品を売るビジネスを始めました。観光客向けのおみやげが質が悪くて高いのが気になって、それだったら私の描いたものを直接安く旅行者に買ってもらえたら、と思って始めました。せっけんの箱やブーメランに絵を描いたり、小さい額の絵を描いたりと旅行する人の荷物にならないようなものも作り始めました。

教会の中を使って近所の人達に絵を教えたいと思っています。もう頼まれているので近いうちに始めます。全然絵を描かなかった人が、きれいな絵を描くようになるのって素晴らしいことです。それから、ここはシティーに近いので、街のビルやトラムの絵も描き出すかもしれません。グレートオーシャンロードの家には念願の私のアトリエも作る予定でいます。今の私のアトリエはダイニングルームなんです。みんなを閉め出して描いています。

 インタビュー：　前田晶子

　エベリンさんの連絡先　　Email: evie1@netspace.net.au