Yukari Shuppan
オーストラリア文化一般情報

2002年~2008年にユーカリのウェブサイトに掲載された記事を項目別に収録。
前へ 次へ
 
ワインに親しもう(6)
―――料理に合ったワインとは・・・―――
前田晶子 
 
料理とワインの相性の基本は、さっぱりした料理にはすっきりしたワイン、こってりした料理には濃厚なワインというように、口に入れた時の感じの歩調を合わせることです。ですから、魚だから白、肉だから赤という固定観念は取り去って、料理の味付けに合ったワインを自由に選ぶことが大事です。

相性がいいと、料理の合間に飲むワインは口の中をさっぱりとさせてくれます。口の中の料理の香りを消してくれるので、次の一口がさらにおいしくなる、そしてまたワインを飲みたくなる、と料理とワインはうまく調和していきます。逆に後味がすっきりしないもの、えぐみが残ったりするものは、その料理とは相性がよくないワインです。
 
それでは具体的にどんな料理にどんなワインが合うのか例を挙げてみましょう。お刺身には断然白が合います。白でも新鮮味のあるさっぱりした、リースリング、シャードネーなどがいいでしょう。お刺身でも脂ののったしめ鯖でしたら少しコクのある中辛から辛口が合います。魚のムニエルは辛口の白、鶏肉豚肉料理には中辛の白、また同じ材料でも、味付けが濃厚な料理になったら、さっぱりした赤のほうが合います。ラム、ビーフ料理には赤のシラーズ、カベルネソーヴィニョンなどが一般的です。赤ワインは材料は何であれ濃厚な料理には大変良く合うので、香辛料を使った煮込み料理、味噌煮、醤油煮の肉、魚料理の時には赤を用意したほうがいいでしょう。舌を頼りに新しい発見をしてみてください。
 
試飲の時に気に入ったワインでも、要注意なのは大変香りの強いワインです。料理と飲む時、この香りが料理の味をこわしてしまうことがあります。個々にはどんなにおいしいものでも、合わせると逆効果になってしまう場合もあります。解決策としては、たとえばお刺身には合わない香りの強い白ワインはすき焼きなど肉料理と飲んでみるといけることがあります。またはワインに合った濃厚なチーズを捜してくるのもいいでしょう。
 
来月は、家庭でおもてなしをする時のワインの選び方についてお話ししたいと思います。
 
*著作権法によりこの記事の無断転載、借用を禁じます。
(私的な学習、リサーチ、評論、批評のための利用は例外とされています。)
前へ 次へ