Yukari Shuppan
オーストラリア文化一般情報

2002年~2008年にユーカリのウェブサイトに掲載された記事を項目別に収録。
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オーストラリアの花々 (8)

 

初恋草
Lechenaultia



「オーストラリアには初恋草がいっぱいさいているんでしょう、いいわね」。この前帰国した時、知人にいわれて、戸惑いました。名前はどこかで耳にしたことがあるようでしたが、花は見たことがありませんでしたから。メルボルンに戻り、早速園芸店に行って求めてまいりました。

初恋草。学名は Lechenaultia 。1800年~1804年にオーストラリアを踏査したフランスの植物学者レシュノー ( Leschenault de la Tour ) にちなんでつけられたよし。日本に渡り初恋草と命名。名前のいわれは存じませんが、淡いピンクの、やさしくやわらかいこの花を見たとき「ああ、初恋」。そんな思いが致しました。

クサトベラ科。26種あり、常緑性の低木。高さ50cm~1mぐらい。花形はスミレ形または高つき形というのでしょうか?直径2cmぐらいの小さな可憐な花が、まるで蝶々が舞うようなかっこうで枝の先までつきます。色は赤、白、ピンク、オレンジ、黄、ブルー。特に空色のブルーはみごとです。花季は春から夏。葉は長さ1cmぐらいの針葉です。花が終わった後、切り戻しをして来年にそなえます。庭木としては難しいようですが、湿気を少なく、水はけをよくして、冬の寒さに気をつければ大丈夫とのこと。

日本には1970年ごろ紹介され、その後栽培法が確立、いまでは温室栽培で鉢植えや花壇、バンギングの花として生産。やさしく愛らしく、加えて名前のユニークさから、大変人気があるようです。

 一葉式いけ花  ジャクソン増美

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