日豪教育事情(9)
日本から
坂詰貴司
夏休みが終わり今月からは2学期が始まります。今回は1学期の私のクラスの様子をお知らせします。
私は今年度中学1年生の担任になり、3月までの高校3年生との差を毎日発見しました。
冷静に考えてみると当たり前のことでしょうが、10代における5歳の年齢差は結構大きなものがあります。一番大きな違いは、中学1年生は私の話をすべて吸収しようと必死だという点です。しかし高校生は私からの様々な情報を取捨選択して受け止めているようです。もちろん中学校に慣れていないので一日でも早く慣れようとする姿勢は大切なのですが、その反面小学校の延長のように教員の指示通りしか行動しないようです。自分で判断することはまだ難しいと思いますが、一日も早く自立してほしいものです。
今のことと関連がありますが、自宅に戻ると家族に学校の様子を毎日のように詳しく話をしているようです。これも高校生とは大きな違いです。ですから私の話もすべて伝わり、軽い冗談まで知られてしまい、少し恥ずかしい思いです。上級生になると保護者の方々からの「全く学校の様子がわからない」、という声をよく耳にします。これも雲泥の差です。ただほとんどの生徒は成長の過程で、家ではあまり話をしなくなる時期がありますので、いつも過度な心配をしないようにと話しています。
ところで最近の生徒は本当に基本的な挨拶が出来なくなりました。「おはようございます」とか「いただきます」とか、当然のことが出来なくなる傾向は非常に心配です。いくら試験の点数がよくてもこれでは意味がありません。そのためこの4月からは勉強よりまずは挨拶など基本的な生活習慣が出来るように毎日のように話をしています。その結果当初と比べてずいぶんとよくなってきました。卒業する6年後には、何とか立派な青年として送り出したいものです。
またこんなこともあります。
私の勤務校の昼食は弁当持参です。そのため午前中は中身が入ったお弁当箱なのですが、それを平気で自分の足元の床に置いておく生徒もいます。私がきたないのではと言うと、きちんと箱に入って、布で包んであるから大丈夫だ、と言われることがあります。これは10年くらい前の生徒でも同じでしたが、私には未だに信じられない光景の一つです。
このような状況で1学期が終わり夏休みに入りました。
休み中に1年生だけ、2泊3日の臨海学校がありました。
今年は冷夏のためか寒い日が多く、また海にはクラゲがたくさんいました。
生徒達は泳いでいるときはクラゲを嫌がっていましたが、水からあがると今度はクラゲを捕まえに行って大騒ぎでした。
この2学期は様々な行事がありますが少しずつ成長していく様子を見守っていきたいと思います。
今後取り上げてほしい話題など、ご意見、ご希望がございましたら以下の電子メールまでお願いします。
takashi.sakazume@nifty.ne.jp
|