Yukari Shuppan
オーストラリア文化一般情報

2002年~2008年にユーカリのウェブサイトに掲載された記事を項目別に収録。
前へ 次へ


9 スラング三大形容詞  Big three “B”s

Bastard, Bloody, Bugger                スピアーズ洋子

ここに挙げた三つの言葉は、オーストラリア英語のスラングの形容詞で、その中で big three “B’’s といわれています。元来は禁句で、紳士、淑女は口にしない swear words (ののしる、毒づく言葉)です。しかしオーストラリアでは本来の意味を離れて、かなり気軽に頻繁に使われています。ただ、他の項でも書いたように、オーストラリアでは言葉で人を侮辱したり罵倒したりすると、訴えられることもありますので、注意しなければなりません。それでは個々にみてみましょう。

Bastard

本来は相手をあざけり蔑すむ罵りのことばで、私生児という意味の禁句です。

しかし現代では日常でもわりあい気軽に使われ、その場合は、野郎、奴、あいつ、あん畜生、などの意味になります。形容詞として使う対象も様々で、警察官、政治家、犯罪者、やり手な人物などその他諸々に対して使います。Old bastard のように親愛を含む場合もあります。

Bloody

本来の意味は血のような、血だらけの、血に染まったという意味で、血に関わるものです。

しかしスラングでは、血や赤い色とは関係なく、凄い、ひどい、全く、いまいましい、などと物事を強調するために使われ、 bloody awful のように形容詞をさらに形容するために使われたりします。対象も人、モノ、現象、状況などほとんど何にでも使えます。悪いこと良いことの両方に使えるのも特徴です。語源をたどると、19世紀のアイルランドで泥棒たちが好んで使っていた言葉とか。囚人たちと共にこの大陸に上陸して、広まったようです。

Bugger

本来の意味は男色者、あるいはスラングで軽蔑すべき不愉快な人またはモノ、迷惑、やっかいなことに対してののしるときに使う言葉です。

訳すとなると、バカ、アホ、糞ったれなどが適当でしょう。ののしるだけでなく a silly old bugger や a friendly little bugger のように、男性や子供にたいして親しみを込めて言う場合もあります。

前へ 次へ