ワイン入門(9) 木村靖のワイン講座
知っておきたい豪州ワインのあれこれ
オーストラリアの白ワイン品種 その 3
シャルドネ
Chardonnay
シャルドネは世界一高価なテ-ブルワィンが造られるフランスのブルゴーニュ地方を原産とし、同国シャンパーニュ地方では、ピノ・ノアール種(Pinot Noir)、ピノ・ムニエール種(Pinot Meunier)とブレンドされて、シャンペンが造られる。
オーストラリアでシャルドネ種の本格的な栽培が始まったのは、1970年代前半からと歴史が浅く、実際にその消費量が伸び始めたのは80年代に入ってからである。しかし、その生産量の伸びは驚異的なものがあり、品質的にも短期間で世界トップクラスの仲間入りをしたことは注目されている。このようにシャルドネに人気が集っている理由は、
1)消費者が辛口嗜好になってきていること、
2)他の品種に比べ、多様な環境で栽培できる、
3)果実の香味が豊かなので、良質なワイン造りも比較的簡単であること、
があげられる。
ほとんどのシャルドネはオーク樽で熟成され、辛口タイプに造られる。長期の瓶熟成が可能で良質なものは、新樽などで1年ちかく熟成させるため、白ワインのなかで最も高価なものとなる。また、本格的なシャンペン製法に習ったスパークリング・ワインにも使用される。
一般的なオーストラリアのシャルドネには二つの特徴がある。ニューサウスウエールズ州のHunter Valley、南オーストラリア州の Barossa Valley などの温暖地で造られるワインは、ピーチやパイナップルのようなアローマが豊かに現れ、クリーミーでやや重さがある。一方、寒冷地のヴィクトリア州 Yarra Valley、タスマニア州、西オーストラリア州 Margaret River、南オーストラリア州 Adelaide Hills などで栽培されるシャルドネから造られるワインは、酸味の調和が自然で、柑橘系などの果実風味が繊細に現れる。
木村靖
*筆者の木村靖さんは、オーストラリアの大学でブドウ栽培学とワイン醸造学を学ばれました。
1993年より「ユーカリ」に「木村靖のワイン講座」を執筆していただき、この記事はそれを再掲載しています。
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