ワインに親しもう (11) ――― ドメイン シャンドン――― 前田晶子 ワイナリーへ行って見ようかと思い始めた方へのお勧めは、ヤラバレーです。先月お話したシャンペンの本家本元、モエ シャンドンは1985年にオーストラリアに進出してきました。ヤラバレーの牧場を買い取り、ドメイン シャンドンというワイナリーをつくりました。そこは夏に向かってどんどん茶色に変わっていく牧草地帯の中で、最後まで緑が残る所という意味で、グリーンポイントと呼ばれていた場所でした。この名前は今でもここで造られるワインの名前に残されています。本家と同じ伝統的な方法で、スパークリングワインを造ります。ワイン工場には見学コースがあります。毎日三回(11AM. 1PM. 3PM)、スタッフが無料の案内ツアーをしています。モエ家の話から始まる説明に耳を傾けながら順を追って、果汁を絞るタンク、醗酵タンク、ブレンドの仕方、2次醗酵で生じた澱の除き方(この方法がシャンドン社自慢の伝統的な方法。)、最後に温度、湿度管理をされた薄暗いひんやりした保管室を抜けると、目の前にブドウ畑が広がる明るいビジターセンターことテイスティングホールへと導かれます。ゆっくり見学すると30分かかります。グラス一杯5ドル50セントで、試飲ができます。チーズ、パテ、パン、フルーツなどのおつまみ付きです。スパークリングをはじめ、スティルワインも試飲できます。売店ではワインのほか、ワイン小物も売っています。 今の時期、手入れの行き届いた庭にバラの花が見事です。シャンペンの発明者、ドン ペリニヨンが「夜空に輝く星のよう」とシャンペンの泡を表現したことから、シャンドン社のトレードマークは星のマークです。
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