Yukari Shuppan
オーストラリア文化一般情報

2002年~2008年にユーカリのウェブサイトに掲載された記事を項目別に収録。
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ワインに親しもう (1 3

  

     ――― パント ロード(Punt Road)      ヤラバレー ーーー

前田晶子          

メルボルンの市街地の東側を走る幹線道路、パント ロードは、その昔ヤラ川に突き当たった所でいったん途切れ、川向こうにはパントと呼ばれるいかだで人も物も渡っていました。川の向こう側の小高い丘を越えて行く道の両側には、ぶどう畑が広がっていました。1850年代のことです。新しい植民地メルボルンの郊外にできた最初の商業用のぶどう畑でした。パントが行き交った所は今は橋になっています。そのうちだんだん街が大きくなると、ぶどう畑はヤラバレーに移って行きました。


今回訪ねた所は、歴史的なパント ロードという名前をトレードマークにしたワイナリーで、実際は3つのワイナリーがいっしょになっています。各ワイナリーのオーナーとワインメーカーが一人加わって、4人の経営で成り立っています。セント ハバーツ ロード(ST Huberts Rd)脇の看板もパント ロードになっていますが、ヤラバレーワイナリーの地図には、ヤラヒル(The Yarrahill)と出ています。看板の所を入って行くと、木立に囲まれた涼しげなテイスティングルームが見えてきます。裏手にはワイン工場の建物があり、ワインの醗酵臭が漂っています。

ここでは、白3種(ソーヴィニョン・ブラン、ピノット・グリ、シャードネー)赤4種(ピノ・ノア、メルロ、シラーズ、カベルネ・ソーヴィニョン)デザートワイン、ロゼーを造っています。主だったワインの説明が日本語で書かれたものも用意しています。無料で好きなワインを何種類でも試飲させてもらえます。あいにくシャードネーは売り切れでした。さっぱりした白から濃厚な白へ、そして淡白な赤から渋い重い赤へと移っていくのがいいでしょう。気に入ったワインがなければ、なにも買わなくても一向に構いません。因みにここでよく売れているワインはピノ・ノアとメルロだそうです。

ここのワイナリーは、予約を入れておけば裏手の工場も見学させてくれるとのことです。値段は一本20ドルから25ドルです。全般的に白も赤もさっぱりとしたワインです。毎日10時から5時まで開いています。

* ソーヴィニョン・ブラン(Sauvignon Blanc)    青味がかったさっぱりした白ワイン。よくブレンドされる。
* ピノ・グリ(Pinot Gris) 白でも香りの強い力強いワイン。フランス原産。
* デザートワイン  セミロン(Semillon)から作られた甘みのあるワイン。食後のデザート用。最高に熟して甘みが最も強い時に収穫して造る。
* ロゼー(Rose)    色を楽しむワイン。赤ワイン用のぶどうから造る。1日だけ皮といっしょにして色を出し、後は白ワインの造り方。安目のワイン。ここでは14ドル。軽く飲みやすいので、初心者向き。

  

Punt Road Vineyards パンフレットより。

 

 

 

 

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