ワイン入門(18) 木村靖のワイン講座
オーストラリア・ワインの種類
オーストラリアのワインの大きな特徴の一つに挙げられることは、広範囲に渡る数多くのワイン産地から、多種多様なワインが造られていることである。フランス、ドイツ、イタリア、スペインなどの銘醸造地のワインと同じスタイルの良質ワインが、国内でひとまとめにして楽しめることである。
数多いワインの中からワインを選び、ワインを楽しむ基本は、ワインスタイルの違いと品種名を覚えることから始まる。親切にもオーストラリアワインのラベルには、それぞれのワインの原料となる葡萄品種名やワイン・スタイルが、分りやすく表示してある。
オーストラリアのワインは次の3つに分類される。
(1)テーブル・ワイン(Table wine)
一般の赤と白ワインのことをいい、食事と共にとる炭酸ガスを含んでいないスティル・ワイン。このワインは比較的良質な(a)ヴァラエタル・ワイン(ラベルに葡萄品種名の表示)と、(b)
ジェネリック・ワイン(葡萄品種名の表示なし)に分けることができる。
(2)スパークリング・ワイン (Sparkling
wine)
俗にシャンペンと呼ばれ、炭酸ガスを含んでいるワイン。本格的なシャンペン製法で造られた良質ワインは、メソド・シャンプノアー
(Methode Champenoise) と呼ばれる。
(3)デザート・ワイン(Dessert wine)
食後のフルーツやデザート、コーヒー、紅茶と共にとる甘口ワイン。このワインは、されに3種類に分けられる。
(a) ボトリティス・ワイン(Botrytised wine)
貴腐ワインといわれ、特殊なカビが付着した葡萄を原料とする甘口白ワイン。
(b) スイート・ホワイト・ワイン (Sweet white wine)
貴腐ワイン以外の晩摘み葡萄を原料とする甘口ワイン。
(c) フォーティファイド・ワイン (Fortified wine)
酒精強化ワインといわれ、アルコール度の高い甘口ワイン。ポート・ワイン、リキュール・マスカットなどはこの部類。
詳しいワイン・スタイルと葡萄品種に関しての説明は、同連載の3回から11回までを参照してください。
木村靖
*筆者の木村靖さんは、オーストラリアの大学でブドウ栽培学とワイン醸造学を学ばれました。
1993年より「ユーカリ」に「木村靖のワイン講座」を執筆していただき、この記事はそれを再掲載しています。
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