オーストラリアの花々 (24) |
野生ラン ダンデノン丘陵の友人の家の庭には、何本ものユーカリの樹があります。 樹の下は地膚が見え、下草とてあまりないのですが、そこに咲いているのは紫色のヒヤシンス蘭と呼ばれる野生蘭。50―60cmのすーっと直立した茎の上部に、ヒヤシンスの花に似た小さい花がいくつもついて、夏の炎天下も生き生きと咲いています。 学名はDipodium Punctatum 。春の終わりの頃、アスパラガスに似たような茎がすいすいのびてきて、上の方に、20から30ぐらいの蕾がつきます。多いのは60ぐらいもつくとのこと。12月終わりごろから序々に咲きはじめ、3月頃まで咲き続けます。 花は直径2cmぐらいの5弁花。色は紫系で、濃い紫、うす紫、ピンクなど。花には同じ色の濃い斑点があります。草丈は30―40cmぐらいから1メートル前後まで。1本だけすーっと出ているのもありますが、多くは、3―4本が固まって出ています。愕もなく、葉もありません。 この花は有機組織寄生植物と言われています。きれいな花ですが、採集して庭で栽培することも、また、挿し芽をして増やすこともできないそうです。もし、移植できたとしても、1―2年で消えてしまうとのこと。森や森林地帯の乾燥地でみられ、特にユーカリの木の近くが適地とのことです。 根は多肉植物で、アボリジニはこの花の根を食用にするとのことです。 一葉式いけ花 ジャクソン増美 * この記事の無断転載・借用を禁じます。
|