オーストラリアの花々 (25) |
パーソニア 友人の家の庭隅で、この木を見かけた時、松かと思いました。その木にある日、黄色い花が咲いているのを見て、驚きました。それが persoonia でした。 ヤマガモシ科。この種に属するものは60~70種あるといわれます。葉は常緑で、多くは針葉形ですが、小さい楕円形のものもあります。初めて見た時、松と見えたのは persoonia pinifolia といわれる種類で、3~4mくらいになる潅木です。葉は濃い緑色で松の葉より細くまた、柔らかく、長さは5cmくらいです。枝は上の方で分枝し、枝先はしなやかで少し下を向いています。その枝先に5,6cmから10cmぐらいのところまで小さな花がぎっしりと穂状につきます。蕾みの時はまるで米粒のようですが、花弁が4枚ですので、咲くと直系1cmぐらいの十字形の可愛い花となります。花期は夏から冬。水はけの良い山岳地帯が適しているようです。 冬、直径1cmぐらいの実を結びます。この実ははじめは緑色で、だんだん赤みを帯び、熟すると落ちますが、実からの発芽は困難といわれています。また、挿し木もおそらく難しいだろうとのことです。 切り花としては水切りのみで水揚げもよく、日保ちもします。松のみどりに黄金の花はいけ花としても素敵です。 アボリジニーはこの木の皮を水につけて柔らかくして、魚の網を編むそうです。また、種類によっては葉や皮の樹液を喉や風邪薬としても用いるとのこと。なお、 persoonia を pine-leaved geebung とも呼ぶそうですが、geebung というのはアボリジニーの言葉で、食べられるが味のない食べ物の意とか。 一葉式いけ花 ジャクソン増美 * この記事の無断転載・借用を禁じます。
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