ワイン入門(26) 木村靖のワイン講座
ワインの温度(1)
ワインの香りや味わいは、ワインの温度によって変化するものである。ワインを適温で飲むと、ワインが本来もっている果実のアロマや瓶熟成から生じたブーケを楽しむことができ、料理の味を一層美味しいものにしてくれる。特にワインの香りは、ワインの温度とワインが空気に触れる時間によって変化するものであり、その変化を見分けるのもワインの楽しみの一つである。
例えば、冷やしすぎた白ワインを注ぐと、最初は香りをあまり感じなく、時間が経ちワインの温度が上がるに連れて、香りがはっきりたち現れてくることがあり、さらにワイングラスを長時間残しておくと、香りは抜けてしまう。このようにワインの香りがはっきりと現れ、ワインの口当たりも良くなるときが、そのワインの適温といえる。
一般に、白ワインは冷やして、赤ワインは室温(18度くらいのことをいう)で飲むといわれるが、同じ赤白ワインの中にもいくつかのたいぷがあり、それぞれのタイプに合った適温がある。まず、ワインを適温で飲むためには、そのワインがスパークリング・ワイン、テーブル・ワイン、デザート・ワインであるかを区別する。そしてテーブル・ワインの白の中でも、フルーティで香味がソフトなもの、樽熟成や瓶熟成してコクのあるもの、赤では、色が薄く香味がソフトなもの、瓶熟成して香味こコクのあるものなど、ワインjのタイプを区別することが大切である。
ワインの適温
20度C 赤ワイン(香味が濃厚) 瓶熟成してコクのあるカベルネ・ソーヴィニョンなど。
18度 赤ワイン(香味が中間) 色がやや薄く香味も少しソフトなシラーズなど。
16度 赤ワイン(香味が軽い) 色が薄くソフトなピノ・ノアールなど。
14度 酒精強化ワイン ポート、甘口シェリーなど。
13度 白ワイン(香味が濃厚) 樽熟成や瓶熟成してコクのあるシャルドネなど。
10度 白ワイン(香味が中間) リースリング、ソーヴィニョン・ブランなど。
白ワイン(香味が軽い) カーすく・ワインなど早飲みタイプ、ロゼ・ワイン
8度 シャンパン、スパークリング・ワイン
6度 デザートワイン、甘口白ワイン、貴腐ワインなど
木村靖
*筆者の木村靖さんは、オーストラリアの大学でブドウ栽培学とワイン醸造学を学ばれました。
1993年より「ユーカリ」に「木村靖のワイン講座」を執筆していただき、この記事は1995年に掲載したものを再掲載しています。
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