Yukari Shuppan
オーストラリア文化一般情報

2002年~2008年にユーカリのウェブサイトに掲載された記事を項目別に収録。
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ワイン入門27 木村靖のワイン講座

ワインの温度(2)  

 先月号にも掲載した下の表からもわかるように、赤白ワインに共通することは、香味が濃厚になるに連れて、ワインjの温度が上がることである。ワインが造られて1~2年のフルーティで樽熟成していない白ワイン(リースリングやソ-ヴィニョン・ブランなど)は10度前後に冷やし、樽熟成や瓶熟成したコクのある白ワイン(シャルドネなど)は、やや暖かめの13度前後に冷やすとワインの香りがよく現れる。シャンパンとスパークリング・ワイン、甘口白ワイン(貴腐ワインなど)は、よく冷えた6~8度が適温である。色が薄く渋みが少ないやや軽いタイプの赤ワイン(ピノ・ノアールなど)は16度前後に冷やし、色が濃くて香味が濃厚な赤ワイン(カベルネ・ソーヴィニョン、シラーズなど)は20度が適温とされる。酒精強化ワインは14度ぐらいに冷やして飲むと良い。

 冷蔵庫(4~6度)でワインを冷やす目安は、白ワインはタイプにより1~3時間、やや軽い赤ワインが1時間、よく冷やすワインは5~6時間前に冷蔵庫にいれておくと適温になる。冷えすぎたワインは、飲む前に冷蔵庫から出しておくか、ワインが注がれても時間をおいて、ワインを温めながら飲むと良い。また、室温が20度を超える場所で保存(ワインの理想的な保存温度は恒温14度前後)してあったコクのある赤ワインも、飲む前に冷蔵庫に入れて適温にして飲むことを勧める。

 適度に冷えたワインを食卓に出す場合、ワインの温度を保つために、陶器やプラスティック製のワイン・クーラーを使用するとよい。ワインを急いで冷やす場合には、十分な氷と水を入れたワイン・クーラーなどを使用し、急激な温度の変化でショックを受けたワインは香味を壊すこともあるので、冷凍庫の使用はできるだけ避けるようにしたい。

ワインの適温

20度C 赤ワイン(香味が濃厚) 瓶熟成してコクのあるカベルネ・ソーヴィニョンなど。
18度  赤ワイン(香味が中間) 色がやや薄く香味も少しソフトなシラーズなど。
16度  赤ワイン(香味が軽い) 色が薄くソフトなピノ・ノアールなど。
14度  酒精強化ワイン     ポート、甘口シェリーなど。
13度  白ワイン(香味が濃厚) 樽熟成や瓶熟成してコクのあるシャルドネなど。
10度  白ワイン(香味が中間) リースリング、ソーヴィニョン・ブランなど。
     白ワイン(香味が軽い) カーすく・ワインなど早飲みタイプ、ロゼ・ワイン
 8度 シャンパン、スパークリング・ワイン
 6度 デザートワイン、甘口白ワイン、貴腐ワインなど



木村靖

*筆者の木村靖さんは、オーストラリアの大学でブドウ栽培学とワイン醸造学を学ばれました。
  1993年より「ユーカリ」に「木村靖のワイン講座」を執筆していただき、この記事は1995年に掲載したものを再掲載しています。
*この記事の無断転載・借用を禁じます。

 

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