オーストラリアの花々 (28) |
リリーピリー
Lilly Pilly
紫水晶がいっぱいぶら下がっているわ!
この木をはじめて見た時、思いました。私が住むことになった家の前の通りの街路樹がリリーピリーで、ちょうど小さい実が紫に色づいていました。枝からぶら下がっている実も、青い芝生の上に転がっている実も、魅力的でした。 学名はAcmena smithii。 フトモモ科。常緑樹で7種分布。街路樹の樹高は3―4メートルぐらいですが、 公園などには、枝を横にいっぱい張り、高さ10メートルぐらいの大木もあります。葉は濃いグリーンで、巾2―3cm、長さ7―8cmで、山茶花の葉に似ています。花は白、クリーム、黄色などがあり、ねむの木の花を小さくしたような感じで、枝先に固まって咲きます。花期は夏ですが、あまり目立たず、いつの間にか咲いて、いつの間にか散っています。 花のあとに生る実が、秋から冬にかけてアメジストかしら、と、紛うくらい可愛いいのです。色は紫、ピンク、クリーム等があります。実の大きさは小さいチェリーぐらい。そのため、ブッシュチェリーとも呼ばれます。この実は以前49セントの切手としても紹介されました。味見をしたことはありませんが、果実は食べられるとのことです。ちょっとすっぱいそうですが、ジャムやゼリーにして。 街路樹、公園、庭木、垣根 などに利用すると、冬の庭に彩りを添えてくれます。また、スタンドやトピアリー仕立てもよさそうです。繁殖は種子または挿し木から。強くて育て易い木です。 ところで、街路樹ですが、市役所が我が家の前の通りの住民に3種類の木の候補をあげ、アンケートをとりました。その結果、今度サンセットメープルという木がこの通りの街路樹ときまり、すでに、空いているところに植えられました。秋にはみごとな紅葉が見られるようになるのでしょうが、私は紫水晶がなくなることをちょっと残念に思います。 一葉式いけ花 ジャクソン増美 * この記事の無断転載・借用を禁じます。
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