MELBOURNE Street by Street (28) Flinders Street ― その 3 ― ケン・オハラ ケン・オハラはビールを崇めているわけではないが、教会へ行くよりはずっと頻繁にホテル(パブ)に足を運んでいる。このコラムでも同様である。では、次の Russell Street と Swanston Street の間のブロックへ移るとしよう。
次の建物は Forum Theatre と同じ頃に建てられた古い Masonic Club。これは50年以上建設者がオーナーであった。
Masons は約500年前のイギリスで、熟練石工士によって設立された団体で、神を信じる人たちではあるが、宗教と直接関係は無い。Masons はコミュニティへの奉仕やチャリティに熱心な団体で、Masonic 病院をたくさん建てた。多くのキリスト教徒は Masons をライバルとみなしていたようだ。 現在のオーストラリアでは、Masons の数は著しく減少し、 Masonic Club は閉鎖された。 Flinders Street の Masonic Club も10年前にアパートメントに改造された。
かつてここにはBall and Welch デパートメントストアーがあった。正面をそのまま残して改築された。この建物は不動産投資におけるリスクと利益についての、いい例を表している。 この不動産は Hoyts cinema group によって開発改築された。1993年に完成し、$15mで売却されたが、Hoyts にとっては何ミリオンもの損失であった。この時の購入者は悧巧であった。2年後に$30.5mで売却した。しかしこの時の購入者(Forum のオーナー David Marriner) はもっと悧巧であった。かれはこの建物を1998年に$55.37mで売却している。
真向かいに歴史的なホテル(パブ) the Princes Bridge Hotel があるので中に入ってみよう。このホテルは1979年までの122年間、ある一族がオーナーであった。 一時期 Alan Bond's brewing company がオーナーであったが、後、Foster's Brewing に移った。
このホテルを有名にしたのは、1908年にバーの壁に掛けた Chloe と題する女性のヌード画である。このヌード画はたちまち有名になり、ホテルはメルボルンの観光名所の一つとなった。現在でもホテルの壁に掛かっている。 ホテルの建物も壁の Chloe も、ビクトリア州と国の歴史文化遺産に指定されている。いうまでもないが、ホテルの外に出ている様々な広告はもちろん含まれていない。
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