オーストラリアの花々 (31) |
ピタスポラ Pittosporum
undulatum 公園や道ばたで、あるいは庭木としてよく見かける常緑樹です。 トベラ科。学名はPittosporum。この仲間はアフリカ、アジア、オーストラリア等に点在しており、オーストラリア原産種は約10種。なかでもPittosporum
undulatumという種類は、春の9月から10月にかけて、メルボルンでは満開となります。学名のピタスポラは、ギリシャ語のpitte-ヤニ、sporos-
種子からきていて、この花の実が熟すと粘り気があるところから名づけられた由。また、undulatumというのは、この葉の縁がやさしく波うっていることに由来するとのことです。 花はクリーム色または白。直径1,5cmぐらいの5弁のベル形で、枝の先の方に固まって咲きます。別名オーストラリアン
ダフネ 、あるいはスイート
ピタスポラとも呼ばれているように、花には芳香があります。庭に一本あると、帰宅した時など、香りに迎えられるようでいい感じがします。他に、モック
オレンジとも呼ばれています。 花のあと直径1cmぐらいの小さい果実がたくさんなります。色はオレンジまたは黄色。常緑樹の中でひときわ映え、秋から冬の長い期間道行く人を楽しませてくれます。中にはねっとりした赤い種子が入っています。 葉は楕円形で、長さ14―15cm、巾4―5cmぐらいです。濃い緑で表面には光沢があります。樹高は2-3mから10mぐらい。 繁殖は種子または挿し木から。鳥が種子を運ぶのでしょう、この木の近くには知らないうちにあちこちから芽が出てきます。丈夫で成長が早く、特に手入れの必要もなさそうですが、庭木として楽しむ場合には花のあと剪定をしておくこと。そうすると、次の年またいい花を見ることが出来ます。 一葉式いけ花 ジャクソン増美 * この記事の無断転載・借用を禁じます。
|