オーストラリアの花々 (40) | |
マカデミア マカデミアは花よりナッツとしての方がよく知られていると思います。マカデミアの花をはじめて見たのは、サンシャインコーストの親戚の裏庭。鬱蒼と茂った大きな木に、クリーム色のやさしい感じの花房が、何本もぶら下がっていました。よく見ると枝の間から濃いグリーンの実もぶら下がり、これがマカデミアンナッツで、花が咲きながら実も生っていて、不思議な感じがしました。 ヤマモガシ科。常緑樹。学名Macadamia. 1850年代に、ブリスベンの植物園園長Walter
Hillと イギリスの植物学者 Ferdinand von
Muellerによってクイーンズランドの森林地帯で発見。Muellerの友人Dr
John McAdamにちなんでMacadamiaと名付けられたと言われます。別名クイーンズランドナッツ、ブッシュナッツ。また、アボリジニではBoombera、
Kindal kindalなどとよばれている由。2種類あります。 枝を四方八方に張り、樹高15-20mぐらいまでの大木になるそうです。花は藤のように房状に咲きます。一つ一つの花は直径5-6mm、長さ1cmぐらいの小さい管状花で、これらが20-30cmぐらいの長さの花柄にぎっしりつきます。色は蕾の時はうすいグリーンですが、咲くと白、クリーム、ピンクに。春から秋が花期といいますが、私が見たのは冬です。葉は巾5-6cm、長さ10-15cm。硬い葉ですが、まわりはやわらかく波打っていて、中心の葉脈はくっきり浮き出ています。 実は二つの殻に入っています。一番外側は直径3cmぐらいで、はじめきれいなグリーンですが、あとで褐色になり二つに割れます。次の殻は直径2cmぐらいの茶色で、これはとても硬いです。金槌でも相当力強く打たないと割れません。中に直径1cmぐらいの白い実が入っています。このまま生でいただいても、また、ロースト、ドライ、フライ、クッキー、ケーキなどいずれも美味しいです。美味しいばかりでなく、身体によい栄養素をたくさん含んでおり、世界最強のナッツと言われ、国際的食品になったオーストラリア原産植物でもあります。 繁殖は種子または挿し木から。 若いグリーンの実も花も、手元にあるといけ花の花材としても面白く使えそうです。 一葉式いけ花 ジャクソン増美 * この記事の無断転載・借用を禁じます。
|