オーストラリアの花々 (46) | |
フランネル フラワー 花も葉も茎も柔らかい毛で覆われています。さわってみると名前の通りフランネル生地の感触があり、暖かい感じのする花です。10年ほど前に押し花の先生に頼まれて、フランネルフラワーの種子を日本に送りました。当時はまだ日本ではどこでも栽培されていないとのことでした。 種子を調達している時に聞いた話によると、フランネルフラワーはここオーストラリアでも素人が種子から育てるのは非常に難しいとのこと。種子を蒔いて2-3週間で芽吹く場合もあれば、1年かかる場合もあり、また、山火事のあとなどには急に発芽するとか。 この花、岐阜農技研、育種部が1998よりNSW州のゴスフォード園芸研究所との共同研究による育成に成功。小さい鉢ものとして、来春初めて日本で発売されるそうです。 学名は
Actinotus.
Actino
はギリシャ語で自転車のスポークの意とのこと。セリ科。多年草。17種あり、Actinotus
helianthi
がポピュラー。 花は直径8-10cmぐらい。中心にふっくらした筒状花があり、その周りにマーガレットに似た白い花弁があります。花弁は8枚、10枚、13枚など種類によって異なりますが、一般に花とみなされているこの美しい花弁、実はこれは花弁ではなく、がくだそうです。がくの先の方はうっすらとみどり色がにじんでいて、独特の雰囲気があります。 葉は、グレーグリーンで菊の葉に切れ目をたくさんいれたような形をしています。草丈30cm-1mぐらい。根元に近いところで、3-5本に分枝、それぞれがしっかり伸びて、先の方で更に数本に分枝、先端に花をつけます。1本に20-30の花がつきます。 花もちは1週間ぐらい。全体に微毛がありますので、水切りをしながら、頻繁に水をかえるとより長もちします。花期は自生種は春から夏。痩せた砂礫又は砂地の日当たりがよく、乾燥したところを好みます。繁殖は夏の終わりに挿し木をして、鉢または樽などの容器で育てるのがいいらしいです。 日本へは1993年ごろから切り花として市場入りした由。押し花に格好の材料で押し花界で人気を集めていました。最近ではブライダルブーケとしての人気も高まっているとのこと。鉢物が出まわると、お庭の花として日本でも楽しむことが出来るようになるでしょう。 一葉式いけ花 ジャクソン増美 * この記事の無断転載・借用を禁じます。
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