オーストラリアの花々 (48) | |
ユークリフィア 花の少ない夏。さて、何をとりあげようかしら、と思案にくれながら探索していた時、目にとまったのがこの花、ユークリフィア。鬱蒼とした樹木の中に、水みずしい純白の花びらを風になびかせて咲いていました。 学名
Eucryphia moorei. Eucryphia はギリシャ語の eu
と kryphiaとからなり、「十分に密着した」と言う意、moorei
は、元シドニー植物園のダイレクター
Charles
Moore
より。
一般にはPlumwood
または Leatherwood
とも呼ばれています。エウクリフィア科。常緑樹。樹高は5-15mぐらいに。植物学的にいうと、<双子葉綱バラ目、1属のみの科>で、チリに2種、オーストラリアに3種(2種という人もあり)という希少な存在とか。ただし、交配種が数種出回っている由。 花は直系2-3cm。うすい紙のような4弁花で、花びらが重なり合うように咲きます。4枚ある愕片は密着してカップ状に。色は主に白。まれにピンクまたは花びらの周りがピンクのものも。真ん中におしべがたくさんあり、花には芳香があります。夏の終わりから秋が花期。花のあと長さ2cm
弱ぐらいの実を結びます。 葉は濃いグリーンの硬い皮質で、表には光沢があります。2-3cmぐらいの長さの卵形の葉4-5枚が対生して15cmぐらいになります。 初期開拓者はこの木材でキャビネットを作ったり、また、諸道具の柄の部分に使用した模様。 増殖は挿し木または種子から。根元は日陰、花は日当たりのよいところを好むとのことです。 一葉式いけ花 ジャクソン増美 * この記事の無断転載・借用を禁じます。
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