Yukari Shuppan
オーストラリア文化一般情報

2002年~2008年にユーカリのウェブサイトに掲載された記事を項目別に収録。
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オーストラリアの花々 (52)  


ガイミヤリリー
                    


Gymea lily  

リュウゼツラン科の常緑多年生草木。学名はDoryanthes excelsa。 ギリシャ語のdoratos 槍、  anthos花の意で、長い花茎が槍の柄を思わせるところから。Excelsaはラテン語で特別または偉大の意。一般にはガイミヤリリー。ガイミアというのはアボリジニ語から来ている名で、NSW州のエオラ地方の方言に由来するとのこと。巨大な草姿からジャイアントリリーまたはフレームリリーともよばれています。

 

花は直径10cm位のトランペット状の百合に似た花で、いくつも固まって咲き、そのかたまりは直径30cmぐらいにも達するものもある由。色は、普通は赤、まれに白。花のあと中に2cmぐらいの種子の入った木質の実を結びます。大きさは7-8cmぐらい。花期は春から夏。

 

葉は巾15cm前後、長さ1-2m、厚い皮質の美しいグリーンの剣状形で、地面に放射状に広がります。繊維が多く、かつ強いためブラシやマットに編んで使われるとのこと。グリーンの葉は花のない時でも、いけ花やフラワーアレンジメントなどスケールの大きな作品に常時使われます。

 

茎は直径3-4cmから6-7cm、丈5-7mぐらいの直立で、この先に大輪の花がつきます。アボリジニは若い茎や根を食用にしたとのこと。

 

増殖は種子または根分けから。種子からも簡単に発芽するそうですが、花を見るまでには普通6、7年から10年を要し、20年にして漸く花を見たというケースも報告されています。また、咲いたとしても毎年咲くとは限りませんが、山火事のあとなどに一斉に咲くという特異な性格の持ち主です。公園や大きな庭などの日当たり水はけがよく、半日かげの砂地を好みます。

 

この珍しい花、日本にも渡り、2004年の浜名湖花博にて日本国内ではじめて開花したそうです。

 

一葉式いけ花  ジャクソン増美

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