オーストラリアの花々 (57)
フリンジ リリー
Fringe lily
オーストラリアン ワイルドフラワーズという4種類の花の切手が発行されています。そのうちの一つがこのフリンジ リリー。Common
fringe lilyとあります。学名はThysanatus multiflorus。Thysanotusはギリシャ語のfringedという意味で、この花の花弁に房飾りがあるため。Multiflorusはラテン語で、たくさんの花という意。一本の茎に40-50個の花がつきます。リリーとありますが、ユリ科ではなく、アンテリクム科。多年草。49種のほとんどが、オーストラリアに生息。
花は藤紫色で、直径3cmぐらい。3枚の平開した花弁があり、花弁のふちに素敵な房飾りがついています。花弁の中央には、花弁より濃い紫色の筋が入っています。花弁と花弁の間には、花弁と見まがうような3枚の同色の細いがくがあります。満開の時は見事です。
花茎は30-40cmぐらいで直立、その先に数十個の花をつけ、徐々に開きます。花は一日花で、朝、太陽の出始めの涼しい時に咲き、昼、暖かくなると、さっさと閉じてしまいます。ちょうどいい具合に咲いている鉢を買い、車に入れたまま所用を済ませ帰宅したところ、車中が暑かったため、花はみんな閉じていました。気温にとても敏感な花です。花期は春。花のあと2mm小さい実を結びます。
葉は長い針状葉で、丈は20-30cmぐらい。濃いグリーンで、ちょっと肉厚ですが、柔らかい草のようです。根元から放散状に出ます。
増殖は種子から。湿り気のある日当たりのよいところに。ロッキーガーデンまたはポットでの栽培がよいようです。
日本ではまだ栽培されていないようですが、こちらから種子を買って帰り、ベランダで今年咲かせたという人がいるようです。日本名を別に飾りつき百合とも。
一葉式いけ花 ジャクソン増美
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