オーストラリアの花々 (58)
メラリューカ
Melaleuca nesophila
ボンボン形をしたやさしい感じの花です。暑い夏でも庭木として、または公園などで清々しく咲いているのですが、その美しさは近寄ってみないとわかりません。
フトモモ科。学名の
Melaleuca
の由来はギリシャ語の
melas が黒、
leukos は白の意で、白い茎に黒いマークがついている種類があるためといわれています。約200種。常緑性低木の
2m ぐらいから、高木 6mぐらいまであり、オーストラリア花木の代表の一つと言われています。写真は
Melaleuca
nesophila. この種属が最初に発見されたのは西オーストラリア州沖にあるダウトフル島とのこと。樹皮が紙のように剥がれるところから、ペーパーバークス、また、花色からピンクメラリューカとも呼ばれています。
花は細い柔らかいシベが密集して直径2cmぐらいの球形を作り、茎の先端につきます。色は濃い藤紫、またはピンク。満開をすぎると白っぽくなります。花期は晩春から夏。夏のフローラルディスプレーに便利です。花のあと2mmぐらいの小さい実を結びます。
葉は巾1cm 弱、長さ 2-3cm の楕円形。濃いグリーンの革質の葉が茎の周りに密につきます。花のない時でも、いけばな花材として役立ってくれます。葉をもむととてもいい香りがします。
増殖は挿し木または種子から。どんな土壌でも栽培は簡単とのことですが、日当たりと水はけに注意を。風よけや垣根などにもよく、近年庭木としてポピュラーになってきているようです。花のあと、軽く剪定を。
一葉式いけ花 ジャクソン増美
* この記事の無断転載・借用を禁じます。
(私的学習、リサーチ、評論、批評のための使用は例外とされます。)