Yukari Shuppan
オーストラリア文化一般情報

2002年~2008年にユーカリのウェブサイトに掲載された記事を項目別に収録。
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オーストラリアの花々 (58)

 

 

    メラリューカ                 
     Melaleuca  nesophila

 



ボンボン形をしたやさしい感じの花です。暑い夏でも庭木として、または公園などで清々しく咲いているのですが、その美しさは近寄ってみないとわかりません。

 

フトモモ科。学名の Melaleuca の由来はギリシャ語の melas が黒、 leukos は白の意で、白い茎に黒いマークがついている種類があるためといわれています。約200種。常緑性低木の 2m ぐらいから、高木 6mぐらいまであり、オーストラリア花木の代表の一つと言われています。写真は Melaleuca nesophila. この種属が最初に発見されたのは西オーストラリア州沖にあるダウトフル島とのこと。樹皮が紙のように剥がれるところから、ペーパーバークス、また、花色からピンクメラリューカとも呼ばれています。

 

花は細い柔らかいシベが密集して直径2cmぐらいの球形を作り、茎の先端につきます。色は濃い藤紫、またはピンク。満開をすぎると白っぽくなります。花期は晩春から夏。夏のフローラルディスプレーに便利です。花のあと2mmぐらいの小さい実を結びます。

 

葉は巾1cm 弱、長さ 2-3cm の楕円形。濃いグリーンの革質の葉が茎の周りに密につきます。花のない時でも、いけばな花材として役立ってくれます。葉をもむととてもいい香りがします。

 

増殖は挿し木または種子から。どんな土壌でも栽培は簡単とのことですが、日当たりと水はけに注意を。風よけや垣根などにもよく、近年庭木としてポピュラーになってきているようです。花のあと、軽く剪定を。 

 

                                                                一葉式いけ花  ジャクソン増美

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