オーストラリアの花々 (59)
ドドナエア
Dodonaea
花はあまり目だちませんが、花のあとの莢と葉の色の調和がよくとれたユニークな花木です。ドドナエアという花名も、かろやかな響きがあり、感じのいい名前と思います。
学名Dodonaeaは16世紀フレミッシュの植物学者、オランダのライデン大学教授だったRembert
Dodoensにちなんでとのこと。ムクロジ科。常緑性小高木で、1m―4mぐらい。ドドナエア属は全部で50種類ぐらいあり、うち、約40種がオーストラリアに生息。Naitive
hopまたは単にホップブッシュとも呼ばれているのは、初期の入植者がビールを醸造する際にこの木をホップに代用したためと言われています。和名は、ハウチワノキ。
写真はDodonaea viscose purpurea。
Viscoseの由来はさだかではありませんが、その筋の人によると、英語ではviscousで、粘っこいという意にあたり、この木が粘着性のあるところからきたのでは?とのこと。花は黄色またはオレンジが茎の先の方の葉腋にひっそりつき、そのあと、数個ずつ固まって実を結びます。これは紙のように薄い直系1-2cmの莢で、唐団扇の形をしていますので、ハウチワノキと、いうのでしょう。色は紫で葉も同じ色のため、Purpureaと。種類によっては茶、赤、グリーン、黄色などもあります。
葉は硬質の細長い楕円形で、独特の姿をしていて、枝には香りがあります。
庭木、垣根、鉢植えいずれにもよく、また、切り枝をいけばな花材としても利用可能な便利な花木です。気温により少しずつ色が変りますが、初夏から夏をすぎ、冬までも楽しめます。
どんな土壌でもよいようですが、莢と葉によい色をみるためには、水はけ、日辺りのよいところに。定期的に軽く剪定、特に若木を切って樹形を整えておくこと、庭のよいアクセントになります。
増殖は挿し木または種子から。挿し木は、茎の先の方の柔らかい部分が硬くなりかけた辺りがよく、種子からの場合は熱い湯につけてしばらく寝かせてから蒔くとよいそうです。
一葉式いけ花 ジャクソン増美
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