オーストラリアの花々 (60)
ブラキシトン
Brachychiton
今年の夏はからからに乾いていて、原生種のみの公園を歩いていても、なかなか花に出会えませんでした。ところが急に青肌の、しかも葉のない大木が1本現われ、見上げるとピンクのベル形の花が満開でした。
学名は
Brachychiton
discolour.
Brachys
はギリシャ語の短い、chiton
はチュニックの意で、この花の種子にコーティングされているのが、チュニックを着ているように見えるため。Discolor
はラテン語からきていて、二つの異なる色とのことです。一般には
lacebark
と呼ばれています。アオギリ科。20-30mぐらいになる大木です。直立した木で、根元から2mぐらいあがった辺りから上の方に枝を四方八方に張り、その先に花が固まってつきます。
花は直径5cmぐらいの5弁のベル形。内側はきれいなピンクで。外側に、花びらより5ミリぐらい下がったところにこげ茶色のがくが、花びらにぴったりくっついています。花には柔らか毛がありますので、花の散り敷いた木の下は、ふんわりとしていて、まるでカーペットのような感触です。花には密があり、花のあと大きな実を結びます。この実は食べられるとのこと。花期は夏。
葉は直径10-15cmぐらいで、掌状裂がありす。濃いグリーンで葉裏は柔らかい毛に覆われていて、フエルトの感じがします。花が咲いている時は、葉はありません。
増殖は種子または接木より。剪定は不要の由。大きい庭や公園向き。
一葉式いけ花 ジャクソン増美
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