歩いてみよう -メルボルンとその周辺-
( 60 最終回)
Bushwalk 雑感
M. ようこ
運動神経がにぶいので「これしかないかな」、と歩き始めたのが1990年4月。最初があまりに素晴らしかったので、それ以来続けている。新緑や紅葉の頃、20度くらいの晴天の日に、シティの公園などを歩いてみるといい。こんなに美しいところに住めて、なんと幸せなのだろう、とスキップでもしたくなる。オーバーだが本当である。やせるどころかさらに太ったし、80歳ちかいひとたちにさえついて行けないが、心の健康状態は良くなったと思う。初めの頃は同じところばかり行っていたが、今では、ずっとビクトリア州に住んでいる、という人たちより多くのところへ行ってきたし、何よりも、多くの信頼できる友達ができた。最近、わたしにもファンができ、彼女らと初心者コースを歩きなおしている。
しかし、最近はマナーの悪さが目に付く。ゴミをどこにでも捨てる。BBQや設備のトイレを汚して片付けない。国立公園に犬を連れてくる。自由に走りまわさせる。バカでかい音でカーステレオをつける、などなど。
多くの公園では、経費の節約と人や野生動物が散らかしたり、怪我をしないように、ゴミは持ち帰るよう呼びかけている。「重たいときに(中身が入っているので)持ってきたのだから、軽くなったらもって帰れるはずだ」し、犬や猫は(フンも含めて)野生動物に害を与えうるから、禁止されているのである。小さいことのようだが、親が実践し、子供にも教えていかないと、公園の(ひいては地球の)美しさは保てない。マクドナルドのようにあちこちにゴミ箱があるようなところでさえ、自分の出したゴミを片付けない人がいるが、こういう人たちには公園に来て欲しくない。
まだまだ紹介したいところはたくさんあるのだが、あとは、いくつもの遊歩道が入り組んでいて、文章だけでは紹介しにくいところ、とおすぎるところ、登り降りが多すぎるところ、距離が長すぎるところ、また逆に短すぎるところなどである。
ユーカリの読者の10%が私のコラムを読んでくださり、いや、たとえ一人でも、実際に出かけてくださったら幸いである。
*この記事は2001年にユーカリに連載されたものをリピートしています。
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