Yukari Shuppan
オーストラリア文化一般情報

2002年~2008年にユーカリのウェブサイトに掲載された記事を項目別に収録。
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オーストラリアの花々 (68)   

 

ネエィティブ フランジパニ    
 
Native frangipani

 

春はどこからともなく花たちのいい香りが聞こえてきます。ジャスミン、ピタスポラ、グリーンの蘭….などなど。フランジパニの香りも数メートルも手前から漂ってきます。

 

学名は Hymenosporum flavum. Hymenosporum はギリシャ語で、 Hymen 、うすい膜、 spora は種で羽根のついた種子の意。Flavumはラテン語の flavus に由来して 黄色、この花の色が黄色のため。強い芳香があり、一般には Native frangipani と呼ばれています。トベラ科の常緑性中高木。 庭木では5-6mぐらいのものが多いのですが、公園などでは10-15m、あるいは20m以上になるものもあるようです。

 

花は円筒状で、直径4-5cm、花弁は5弁。茎の先の方に放散状に咲きます。色は咲き始めは薄いクリーム色ですが、黄色、濃い黄色、オレンジと徐々に変わっていきます。花期は春。花のあと2-4cmぐらいの長さの西洋梨に似た格好の茶色の実を結びます。中には羽根のついた種子がたくさん入っています。

 

葉は幅4-5cm、長さ10―15cmぐらいの楕円形で、先端は尖っています。濃い緑のつやつやした柔らかい葉です。

 

増殖は種子より。試してはおりませんが、若い枝の挿し木も根着きそうに思えます。乾燥期には水遣りに工夫が必要。庭、街路樹、公園などいずれにも適しています。花のあと充分剪定を。

一葉式いけ花  ジャクソン増美

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