オーストラリアの花々 (70)
レモン マートル
Lemon Myrtle
名前の通り、葉はとてもよいレモンの香りがして、各種の料理に重宝します。
学名はBackhousia
citriodara。
Backhousia はイギリスの植物学者James Backhouseに由来。Citriodoraは<lemon-scented>「柑橘類と香り」という新しいラテン語の形で、レモンの香りのする、という意味を持つとのこと。一般にはレモン マートルと呼ばれていますが、Lemon-scented myrtle あるいは Lemon ironwoodと呼ばれることもあります。フトモモ科。常緑樹。7-8mから大きいものでは20mぐらいになるものもあるようです。
花は枝の先の方にクリーム色の小さい綿毛状の花がいくつも固まって咲きます。つぼみの時は草色のかわいいゴマつぶ大。花弁は5枚、直径1cmぐらいで、中心にオシベがたくさんあります。花期は夏。花は観賞用にもなります。
葉は5-10cmぐらいの長さで、巾2-3cmぐらいの長円形。濃いグリーンで光沢があり、若葉と茎は柔らかく多毛です。押しつぶすと強いレモンの香りがあり、オーストラリアの植物の中で最も強い香りを放つと言われています。葉から商業用のオイルが抽出されます。
葉はそのまま、あるいは乾燥してスープ、ソース、魚料理、肉料理、デザートなど巾広く料理の香りづけに用いられます。また、花や種子を紅茶に加えてフレーバーティーにしたり、あるいはポプリにも利用可能です。
垣根や風除け用の生垣にも使われます。
栽培は水はけ、日当たりのよいところに。増殖は挿し木または種子からも。
一葉式いけ花 ジャクソン増美
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