オーストラリアの花々 (73)
ブルーレースフラワー
Trachymene
青紫のさわやかな感じの花です。ちょっと見たところ、松虫草に似ています。ヨーロッパ産の多年草に、単にレースフラワーと呼ばれているものがありますが、それとは別属。こちらはオーストラリア産、ブルーレースフラワーです。
学名はTrachymene coerulea.
Trachymene はギリシャ語に由来し、rough
membrane, ザラザラしたうす皮又は皮膜の意味とのこと。この花の種子の形状を描写しているようです。
Coeruleaはラテン語のcaeruleusよりきていて、濃いスカイブルーの意。一般にはブルーレースフラワーと呼ばれていますが、ロットネスト島の大地を埋め尽くして咲くため、ロットネスト デージーとも呼ばれる由。学名は以前はDidiscus
coeruleus。そのためでしょうか、日本の花屋さんではディディスカス(二枚のディスクの意、花の形からか?)カエルレアと呼ばれることが多いそうです。
セリ科、1-2年草。60cm位から1mぐらいの草丈で、主軸を中心によく分枝し、花はすーっと伸びた茎の先の方につきます。一つひとつの花は5弁で、直径5mmぐらいの小さい花ですが、それらが数十個集まり、散形花序をなし、直系5cmぐらいにの美しいピンクッション形を作り上げます。空を向いて咲き、色は花の名前の通りブルーですが、栽培種には白やピンクも出てきているとのこと。終わった花を摘み取ってあげると、蕾が次々と咲き、何日も庭を飾ってくれます。花期は夏から秋。花のあと、種子を結びます。
葉は3出複葉形で巾5mmぐらい、長さ3-6cmぐらいの細長い葉が3枚ずつ出ます。葉は茎の上の方の花に近いところにはあまりなく、根元に近い方にたくさんつきます。茎にも葉にも柔らかい毛があります。
お庭にもまた、鉢物としても素敵です。弱そうにみえますが、日持ちしますので、切花にもよく、いけばな、フラワーアレンジメント双方に重宝します。
増殖は種子より。ただ、移植を嫌いますので、播種の時場所に留意を。水はけ、日当たりの良いところに。
一葉式いけ花 ジャクソン増美
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