オーストラリアの花々 (74)
バンクシア
Banksia
ユニークな姿の花です。学名、英語名ともバンクシア。キャプテン クックの航海に同行したSir
Joseph Banksにちなんで命名。1770年4月、ボタニーベイ附近にて始めて4種が採集。
ヤマモガシ科。常緑性低木。現在76種が記録されており、内1種を除く
すべてがオーストラリア固有の植物とのことです。
花形はトウモロコシ形、ブラシ形、円柱形などといろいろ面白い形があります。普通、私たちが大きな花と思って見ているのは、実は小さな花が何百となく集まって、一つの花序を構成したもの。
花のあと木質の硬い実を結びますが、多くの果実は非常に硬いため、120-140度のオーブンに1時間ぐらいいれて、裂けたところで種子をピンセットで取り出すのだそうです。自然の状態では山火事のあと炸裂して、種子が散布して発芽。また、根は地中深く蔓延っていて、焼け残ったわずかの根っこからも発芽するという強い生命力の持ち主とか。花期が長く、年を通していずれかの種類が次々に咲いてくれます
写真はBanksia spinulosa. スピヌロサというのは、尖った葉の形からきているのではないか?とのこと。この花のグランドカバー用は、葉と花とのコントラストが誕生日のケーキを思わせるため、バースデー ケーキと呼ばれます。また、ゴールデン キャンドル スティックとも。花は円柱形で、直系5―6cm、 長さ7,8-20cmぐらい。色は茶、オレンジ、黄色、ゴールドなど。一つひとつの小さい細い花の先は鍵のように曲がっています。花期は秋から冬。花のあと実を結びます。
葉は硬く、しっかりした針葉で、巾3-5mm、長さ5-20cm位。色は表は濃いグリーンで、裏は灰色です。
増殖は種子からも挿し木からも可能ですが、花をみるまでには数年を要する由。太陽のよくあたる、水はけのよいところに。庭木として素晴らしく、もちろん切り花にも、またドライフラワーにもなります。
一葉式いけ花 ジャクソン増美
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