オーストラリアの花々 (76)
ホービア
Hovea
花の少ない冬、この花はひときわ人目を引きます。
写真は学名 Hovea longifolia. Hovea は、ポーランド人園芸家で、イギリスのキューガーデンの植物採集に携わった A. P. Hove に因んで命名。longifolia は、ラテン語で長い葉という意味。花のあとの実を形容して、Rusty pods と呼ばれることもあります。
マメ科ですが、蔓ものではありません。まれに下垂するものもあるようですが、普通は直立の幹から何本にも枝分れして上昇、樹高1-2mぐらいになります。樹皮には柔らかい毛があります。
花はマメ型。直径1cm弱ぐらいの小さい花が、葉腋にたくさんつきます。色はパールブルー、または青っぽい紫。中心の芯のところに白または黄色い斑点があり、とてもよい香りがします。
花のあといくつかは実を結びます。錆びた感じの8-15mmぐらいの毛深い莢で、中に2つの硬い実が入っていて、円熟するとはぜて遠くに散ります。
葉は長さ3-8cm、巾4-5mmの細長い艶のある濃い緑。裏は青白く、毛があり、中心の茶色の葉脈が浮き出ています。
増殖は種子から。実が硬いためお湯につけて柔らかになってから蒔きます。挿し木からでも可能。水はけがよく、朝日がよく当たり、午後は日陰という環境を好むとのこと。花期は冬の終わりからから初春にかけて。
一葉式いけ花 ジャクソン増美
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