Yukari Shuppan
オーストラリア文化一般情報

2002年~2008年にユーカリのウェブサイトに掲載された記事を項目別に収録。
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オーストラリアの花々 (39)

パラセリアンサス           
Paraserianthes
 

ボトルブラシに似た感じの花です。マメ科。学名は paraserianthes lophatha。これはギリシャ語の para(近い、似かよった)と、マレーシャ種の serianthes と言う木から。また、lophantha はギリシャ語の lophos(crest - ヘルメットまたは鳥の羽飾り、とさか)から由来とのことです。 この種のものが4種類あり、うち、本種のみがオーストラリアに生息、あとは熱帯地方に。別名を Crested  wattle 。ニックネームは tree-in-a-hurry  

花は黄緑色。葉はネムの木に似た葉で、20cmぐらいの羽状複葉。葉が付いていなければボトルブラシと間違えられるかもしれません。6月ごろから咲きはじめ、冬を越し、9―10月頃まで咲き続けます。花のあと、巾1cm、長さ7―8cmぐらいの莢インゲンに似た莢をいっぱいつけます。莢ははじめグリーンで次に茶色から黒っ褐色となります。茎は茶色。  

いけばなには、葉が多すぎ、また葉はすぐ眠ってしまいますので取り除き、茶色の茎と黄緑色の花のみを使います。花のあとの莢も花材として利用できます。  

日本には Paraserianthes falcataria という種類があり、これはモルッカ諸島およびその周辺に分布するため、和名をモルッカねむと言うそうです。  

成長の早い木で、終日太陽にあたるところでは、一夏で2―3mぐらいになります。庭木としても、あるいは、鉢ものに仕立てても趣があります。ただ、成長が旺盛過ぎて他の庭木の邪魔になることもあり得ますので、ご注意を。また、年を重ねた木はあまりいい風貌ではありません。種子から簡単に芽吹きますので、植え替えた方がいいでしょう。                                      

                                                             一葉式いけ花  ジャクソン増美

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