Yukari Shuppan
オーストラリア文化一般情報

2002年~2008年にユーカリのウェブサイトに掲載された記事を項目別に収録。
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オーストラリアの花々 (41)

ファイヤーウイールツリー  

Firewheel tree

 

オーストラリアの花をたくさん見てまいりましたが、こんなに華やかでユニークな花が、身近に咲いていることに、今まで気がつきませんでした。車の車輪の形に似た花で、ファイヤーウイールツリーと呼ばれています。オーストラリアの最も美しい花木の一つと言われています。  

常緑樹。枝を四方にいっぱいはり、樹高は普通の栽培では10mぐらい、森の中では20m以上にもなるそうです。ヤマモガシ科。学名は Stenocarpus sinuatusstenos はギリシャ語で細いまたは狭い、 carpos はフルーツの意で、この花の種子が豆のさやのような形をしていることに由来し、sinuatus はラテン語で wavy の意で、葉の周りが波打っているためとのことです。

Stenocarpus は全体では約30種類あり、オーストラリア原産は7種類で、本種の sinuatus が国内外ともポピュラーで最も広く栽培されているようです。  

花は真っ赤で名前の通り車輪の形をしています。車輪の直径は7-10cmぐらい、15-16本のスパークがあり、スパークの長さは4-5cm、先端にそれぞれ朱色の直径5-6mmの珠がついています。開花はクイーンズランドでは夏から秋と言われますが、メルボルンでは7-8月の冬に咲いています。花のあと長さ7-8cmぐらいの長さの莢状の実を結びます。  

葉は若い葉は褐赤色ですが、成長すると革質の濃いグリーンになります。巾3-5cmぐらい、長さ10-20cmぐらいで、表面はテカテカ光っています。  

繁殖は挿し木または種子から。挿し木の場合は花をみるまでに34年、種子は7年以上かかるといいます。庭木として楽しむほかに、1-2m位の丈のものを大きな鉢に仕立てると、花の特徴がよく出て面白いと思います。日当たりと水はけに留意。                                  

                                                              一葉式いけ花  ジャクソン増美

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