Yukari Shuppan
オーストラリア文化一般情報

2002年~2008年にユーカリのウェブサイトに掲載された記事を項目別に収録。
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オーストラリアの花々 (48)

ユークリフィア                    

Eucryphia  

花の少ない夏。さて、何をとりあげようかしら、と思案にくれながら探索していた時、目にとまったのがこの花、ユークリフィア。鬱蒼とした樹木の中に、水みずしい純白の花びらを風になびかせて咲いていました。  

学名 Eucryphia moorei. Eucryphia  はギリシャ語の eu kryphiaとからなり、「十分に密着した」と言う意、moorei は、元シドニー植物園のダイレクター Charles Moore より。 一般にはPlumwood または Leatherwood とも呼ばれています。エウクリフィア科。常緑樹。樹高は5-15mぐらいに。植物学的にいうと、<双子葉綱バラ目、1属のみの科>で、チリに2種、オーストラリアに3種(2種という人もあり)という希少な存在とか。ただし、交配種が数種出回っている由。  

花は直系2-3cm。うすい紙のような4弁花で、花びらが重なり合うように咲きます。4枚ある愕片は密着してカップ状に。色は主に白。まれにピンクまたは花びらの周りがピンクのものも。真ん中におしべがたくさんあり、花には芳香があります。夏の終わりから秋が花期。花のあと長さ2cm 弱ぐらいの実を結びます。  

葉は濃いグリーンの硬い皮質で、表には光沢があります。2-3cmぐらいの長さの卵形の葉4-5枚が対生して15cmぐらいになります。  

初期開拓者はこの木材でキャビネットを作ったり、また、諸道具の柄の部分に使用した模様。  

増殖は挿し木または種子から。根元は日陰、花は日当たりのよいところを好むとのことです。

一葉式いけ花  ジャクソン増美

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