Yukari Shuppan
オーストラリア文化一般情報

2002年~2008年にユーカリのウェブサイトに掲載された記事を項目別に収録。
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オーストラリアの花々 (60)

 

 

ブラキシトン  

Brachychiton

 

今年の夏はからからに乾いていて、原生種のみの公園を歩いていても、なかなか花に出会えませんでした。ところが急に青肌の、しかも葉のない大木が1本現われ、見上げるとピンクのベル形の花が満開でした。

 

学名は Brachychiton discolour. Brachys はギリシャ語の短い、chiton はチュニックの意で、この花の種子にコーティングされているのが、チュニックを着ているように見えるため。Discolor はラテン語からきていて、二つの異なる色とのことです。一般には lacebark と呼ばれています。アオギリ科。20-30mぐらいになる大木です。直立した木で、根元から2mぐらいあがった辺りから上の方に枝を四方八方に張り、その先に花が固まってつきます。

 

花は直径5cmぐらいの5弁のベル形。内側はきれいなピンクで。外側に、花びらより5ミリぐらい下がったところにこげ茶色のがくが、花びらにぴったりくっついています。花には柔らか毛がありますので、花の散り敷いた木の下は、ふんわりとしていて、まるでカーペットのような感触です。花には密があり、花のあと大きな実を結びます。この実は食べられるとのこと。花期は夏。

 

葉は直径1015cmぐらいで、掌状裂がありす。濃いグリーンで葉裏は柔らかい毛に覆われていて、フエルトの感じがします。花が咲いている時は、葉はありません。    

 

増殖は種子または接木より。剪定は不要の由。大きい庭や公園向き。

                                                               一葉式いけ花  ジャクソン増美

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