MELBOURNE Street by Street (6) |
Collins Street ― その 6 ― |
ケン・オハラ |
建物を見ながら Collins Street を通って
Queen Street を渡る所まで来た。このブ
ロックには歴史的な建物が多いが、その中で二つの建物を取り上げてみたい。こ
の二つは建物としてだけでなく、1893年の
メルボルンの経済恐慌![]() まずはじめに 394~398 Collins Street。1870
年当時、多くの銀行がメルボルンに豪華な本店を構えていた。the
Bank of Australasia もそれに習い、1878年にここに本店を建設した。 |
次は向かい側の 389~399 Collins Street, National Mutual Life
。この豪壮なオフィスビルディングは1893年の経済恐慌直前に完成した。恐慌の
嵐をやり過ごし、その後の100年を無事に生き延びた。![]() そして1981年、National Mutual は同じく1893年の恐慌を生き延びてきた会社 TEA (Trustees Executors and Agency) にこのビルディングを売却した。 TEAは1878年、オーストラリアで最初に設立された信託会社であり、しかも最初に破綻した信託会社でもある。 設立当時は、その業務を合法とするために法律が改正されねばならなかった。TEAはその後の100年、堅実に業務をおこなってきた。ところが1980年、突然危ない橋を渡り始めた。 リスクを伴う不動産に手を出し、投資を始めたのである。3年後、会社は倒産した。 主な原因は399 Collins Street (シンガポールの会社がオーナーでBank of New Zealand が使っている )のビルディングの改築に投資をしすぎたためではないかといわれている。 ![]() かつてメルボルンは世界有数の富める都市であった。1880年代のその名残をとどめる建物は ? ときかれたら、ここCollins Street の北側に立って Olderfleet と Le Meridien Hotel(右下)を指すだろう。 Le Meridien Hotel の修復保存工事は、隣接する Rialto ビルディングの開発建設の一部 として同時に行われた。1986年に完成したRialto ビルディングはメルボルンの最高層ビ ルで、展望台からの眺めは一見に値する。
|
*この記事の無断転載、借用を禁じます。(私的学習、リサーチ、評論、批評のための使用は例外とされます。)