MELBOURNE Street by Street (51) Elizabeth Street ― その 1 ― ケン・オハラ オーストラリアは、ほとんどの住民が持ち家に住む国である。70%のオーストラリアの家族は自分の家に住んでいる。彼らが引っ越す時は現在住んでいる家を売り、移転先で新たに家を買うのが通常である。オーストラリア人は平均7年ごとに家を売ったり買ったりしている。他の国には何世代にも渡って、借地や借家に住んでいる人たちがいるが、オーストラリア人にとっては信じがたいことである。 オーストラリア人であれば、誰もが "Australian Dream" (自分の家を持つ、という意味)という言葉を知っているが、業務用の不動産についても同じことがいえる。ビジネスのオーナーは不動産のオーナーであることが多く、その不動産も頻繁に売買されている。 メルボルンの CBD (Central Business District) には、1300以上(データーベース検索では1337)のコマーシャルビルディングがある。そのうちの半分(663)は1994年以降に売買されている。そのなかでも2回以上売買された不動産もかなりある。 ケン・オハラが思うには、メルボルンのCBDで1年間に売買される不動産の数は、大手町の10年分以上にあたるのではないだろうか。
しかし Melbourne Central の反対側にある Elizabeth Street の一画は、不動産がめったに売買されることのない興味深い場所である。
その隣の店が最後に売買されたのは1985年。2軒おいた店 347 Elizabeth Street は42年間同じファミリーがオーナーであったが、2003年に売買された。 329-335 の Yamaha City オートバイが入っている店は55年以上も売買されていない。 次の一画にある 301 Elizabeth Street は1921年以来変わっていない。 Bourke Street との角にある the Roman Catholic Church は、1846年に建てられて以来、同じオーナーで、ビクトリア州で一番古い教会である。イタリアの St Francis of Assisi にちなんで命名された。
St Francis は800年前に、イタリアの Assisi で廃墟となっていた教会を再建したことでも知られている。メルボルンの St Francis Church 管理委員会は、St Francis が復活して、教会の修復改造にも力になってくれるよう願っているにちがいない。 Copyright: Ken O'Hara |