MELBOURNE Street by Street (52) Elizabeth Street ― その 2 ― ケン・オハラ 大きな会社は最近の経営論に従っているようだ。現在彼らは手持ちの不動産を売却して、それぞれのビジネスに投資している。 例えば大きな銀行は、我々は銀行業であって不動産業ではない、そういって支店の所有不動産も売り始めた。 しかしながら、小さい家族経営のビジネスはちょっと違う。彼らはビジネスの利益をしばしば不動産に投資する。不動産の価値が上がると、それを担保に資金を借りて、別の不動産に投資したりする。30年40年後にビジネスは尻つぼみになったとしても、不動産が安定した収入をもたらしてくれる。 Elizabeth Street の南側を歩いて Lonsdale Street を渡るあたりに、そういった例をたくさんみることができる。
この Elizabeth Street の Bourke Street にぬける西側の一画には、たくさんの小さなビルと店がある。家族経営の店でオーナーも家族所有の場合が多い。 先月のこのコラムで、オーストラリアの不動産は7年おきくらいにオーナーが替わっている、といったが、この一画は例外である。ここには25年から30年の間に、一度も売買されない不動産がたくさんある。 しかし最近売買された不動産がある。253 Elizabeth Street のミルクバーは the Razos family が1954年に $30,000 で購入。2000年に $790,000 で売却された。 ケン・オハラは、このような小さなビジネス、商店などを長い間経営しながら、不動産の価値の蓄積も同時にしている人々の努力を尊敬せずにはいられない。 それに比べて銀行の方はそれほど尊敬する気にはならない。しかし、古い支店を売却するというポリシーは、小額ではあるが手短な収入にはなっている。 235-237 Elizabeth Street は、42年前に the Commercial Bank of Australia ( 現在はWestpac の一部 )が $132,500 で購入した。Westpac はこれを10年前に $1,620,000 で売却した。
Copyright: Ken O'Hara |