Yukari Shuppan
オーストラリア文化一般情報

2002年~2008年にユーカリのウェブサイトに掲載された記事を項目別に収録。
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ワインに親しもう(5)
―――試飲ってどうやるの―――
前田晶子 
 
試飲ことテイスティングに決まりはありませんが、やり方を知っておくと、 ワインのことがもっとよく分かってきます。 ワイナリーや試飲できるお店に行った時、今回の話の中からいくつか試してみてください。

ワインは色と香りと味で楽しみます。テイスティングもこの順序でやっていきます。 グラスに注がれたワインの色をまずよく見てください。 目の高さにかざしたり、グラスを斜めに傾けたり、下に白い紙を当てたりするとよく色がわかります。 同じ白ワインといっても、色の濃さ、青味がかっていたり、緑っぽかったり、 またはオレンジが少し入っていたりといろいろです。赤ワインは白ほどわかりませんが、 それでもよく見ると赤紫色の違いがわかります。赤の場合は色の濃さを見ます。 向こう側が見えるくらい薄い赤から黒に近い赤まであります。因みに、白ワインの緑色、 赤ワインの紫色はワインが若いことを示します。
 
次は香りです。グラスを回して中でワインを動かしてください。 香りが昇って来ます。香りの強さ、どんな感じの香りか、かいでみてください。 初めは皆同じに感じてしまいますが、慣れてくると少しずつ違いがわかってきます。 一番わかりやすいのが樽の香りです。樽で熟成させる赤ワインは樽の香りが強いのが特徴です。 さらに樽に使われる木から移ってくる香り、たとえば、木苺やチョコレート、 ハッカやスパイスの香りまでする赤ワインもあります。白ワインは主に果物の香りがします。 柑橘類の香りでよく表現されます。
 
最後はいよいよ口に含んで味わってみましょう。 口に入れてもすぐに飲んでしまわずに、口の中で転がして口の中に広がる香りをみてください。 鼻でかいだ時の香りとまた違う香りがするかもしれません。そしてゆっくり飲んでみましょう。 飲みやすさ、のど越しの感じ、さらりとしているか、とろりとしているか、甘み、渋み、 酸味、すっきりしているか、余韻が長いかなど味わってください。
 
試飲の時にはワインはグラスの底のほうに少ししか入れません。香りをかぐためにワインを回すのでたくさんは入れません。いくつもワインを試してみたい時は全部飲んでいると酔ってしまうので、口に含むだけで捨てても構いません。途中水で口の中を洗いながらします。白から赤、赤から白に移る時は必ず口を水ですすぎます。ワイナリーによってはおつまみを出してくれる所もあります。1日かけてワイナリー巡りをする時は、口直しのチーズを持って行くのも良い考えです。
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