Yukari Shuppan
オーストラリア文化一般情報

2002年~2008年にユーカリのウェブサイトに掲載された記事を項目別に収録。
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ワインに親しもう (8)

――― ワイナリー ―――

前田晶子          

ワイナリーとは、ぶどう畑をもったワイン醸造所のことを言います。

ぶどうの木が育ち、実が甘く実るには気温の変化が必要です。四季がある温帯地帯にワイナリーはあります。オーストラリアには、北の暑い地方を除く五つの州にワイナリーが点在しています。南オーストラリア、ニューサウスウェールズ、ビクトリア、西オーストラリア、タスマニアです。

伝統的なワインの産地はヨーロッパです。ヨーロッパからの移民がたくさんやってきたオーストラリアは、早い時期からワインが作られ始めました。一番有名なワイナリーはドイツ移民が始めた南オーストラリアのバロッサバレーです。日本の酒造りと同じく、代々続く家族経営のワイナリーが多く、それぞれ独自の造り方を誇っています。

ワイナリー経営はなかなかむずかしく、もし一から始めるとしたら、軌道に乗るまでに7年はかかると言われています。ぶどうの出来不出来をはじめ、自然条件に左右されるワイン造りです。不安定なワイン造りを補うために、ホームメイドのジャム、ソース類、ハーブ酢、ドレッシングなどを並べるワイナリーもあります。大きなワイナリーになりますと、レストランを開いている所もあります。どんな小さなワイナリーでも、テイスティングのカウンターは必ずあり、買う買わないにかかわらず気持ちよく利き酒をさせてくれます。小さいワイナリーは無料ですが、ちょっと大きなワイナリーになると、数ドルのお金をとる所もあります。

最近は新しいワイナリーの形態として、共同出資のビジネスワイナリーも増えています。お金に余裕のある人が始め、ワイン造りから市場調査までしっかり研究してから始めるので、安定した高品質のワインを造り、成功する例が多いようです。

ワインのことが少し分かりだしたら、休みを利用してワイナリー巡りをしてみてください。かくれた掘り出しもののワインとワイナリーを見つけられるかもしれません。

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