Yukari Shuppan
オーストラリア文化一般情報

2002年~2008年にユーカリのウェブサイトに掲載された記事を項目別に収録。
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ワインに親しもう (12

  ――― コールドストリーム  ヒルズ(Coldstream Hills)―――

前田晶子          

ワイン通の人は普通一日に何軒ものワイナリーを回りますが、初心者は2軒くらいにしておいた方がいいでしょう。先月お話したドメイン・シャンドンの近くにコールドストリーム ヒルズというワイナリーがあります。ヤラバレーの中では比較的新しいワイナリーです。値段はワイナリーとしては高い方ですが、大変上等なワインを揃えています。ワイン好きの人も気に入っているワイナリーです。


メルボルン市内から来てドメイン・シャンドンの先をさらに2.7km行きます。左側のコールドストリームの看板を目印に、右手の舗装されていない道に入りさらに行くこと2.3km、次第に上り坂になる道のほとんど終わりになるくらいの奥まったところ、左手にあります。最近新しくしたテイスティングルームが見晴らしのいい高台に立っています。グレーを基調にした落ち着いた部屋に長いカウンターがあり、一度にかなりの人数のテイスティングをこなせます。プロのスタッフが親切に相手をしてくれます。

ここはヤラバレーでも高台ですずしい場所ですので、白のシャードネーをはじめ、赤のピノ・ノアール、 カベルネ・ソーヴィニョン、メルロがおいしいワイナリーです。特につくるのがむずかしいといわれるピノ・ノアールではたくさんの賞を取っていて定評があります。テイスティングは買う買わないにかかわらず、無料です。ただし、5ドルのコースを取りますと、普通のテイスティングでは出してもらえないような最高級のワインが味わえます。どのワインも後味がすっきりときれいなのがここのワインの特長です。

テイスティングではグラスの底に2cm程入れてくれます。弱い人は全部飲んでいると酔っ払ってしまうので、一口飲んで味わったら、カウンターに置いてあるそれ用の容器に捨てるのがいいと思います。希望すれば何種類でも試飲させてくれます。冷たい水も用意してありますので、口をすすぎながら、自分の好きなワインを見つけてみてください。何人かで行っても好みのワインは皆違うものです。

ここはドメインと同じ頃、1985年にぶどう畑とワイナリーが作られました。ワイン造りのリーダーでもある創立者は元弁護士です。ワインを造り出して10年間でどの種類のワインでも数々の賞を取っています。自信を持って最高級のワインを市場に出しているワイナリーです。値段は一本25ドルくらいからです。

醸造所はテイスティングルームの裏手のさらに高い所にあります。どちらからも素晴らしい景色が楽しめます。この景色はボトルのラベルにも使われています。毎日10時から5時まで開いていますが、週末は次々と人が訪れ、かなり賑わいます。ゆっくり試飲をしたい方は週日がお勧めです。

* メルロ(Merlot) :   英語読みでは、マーロとなる。赤ワインの1種。甘めで穏やかなまろやかな味が特長。シラーズやカベルネ・ソービニョンとよくブレンドされる。メルロと合わせると渋みが消 えてまろやかな味になる。メルロだけでも造られる。初心者向きのワイン。

 

 

 

 

 

 

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